突撃☆インタビュー・・・平治郎先生 【2、コミュニケーション編】

前回のインタビューでアスレティックトレーナーの基本が少しわかったので、今回は少し掘り下げてコミュニケーションについてお話をお伺いしました。
左写真はテーピングについて御伺いした時のものです。テーピングは、今回のインタビューのタイトルにもある【コミュニケーション】にも大変関係の深いものです。平先生とモデルの方とのコミュニケーションも、とても参考になりました。
では、以下を早速ご覧ください!
2【コミュニケーション編】
---実際仕事をやる上で体力はどの程度必要ですか?
平先生
この仕事は、自分自身が運動するのではなく指導相手にやらせなければならないので、その指導をする体力が必要です。また、選手はいつ怪我や体調不良を起こすか分からないので、拘束時間がどうしても長くなってしまいます。そういう点で体力は必要なのかもしれないですね。
---では体力というより常に気を配る神経が必要なのですか?
平先生
そうですね。トレーナーは待っているだけじゃなくて自ら気付いて行動に起こすことが重要です。怪我や病気をしない事が一番ベストな状態なわけですから、先手先手を打って色々予防する事が必要ですね。例えば、グラウンド状況が悪ければ選手が怪我をしないようにグラウンド整備をしなければいけません。そのためにも運動生理やトレーニングの知識を学ぶ必要があるのです。
---グラウンド整備までこなすなんて、アスレティックトレーナーの仕事は幅が広いのですね。
平先生
何か(怪我など)あった場合は基本的にはドクター(お医者さん)に診ていただくのですが、ドクターからその後の指示を受けるのは選手ではなくトレーナーです。仮に選手が怪我をしてアスレティックトレーナーがその怪我の状態が分かったとしても「骨折しているね。」とか言ってはいけないのです。必ずドクターの診断が必要になります。その代わり、指示を受けるためドクターと共通の言葉で会話が出来なければいけないので、そこがトレーナーという立場的に難しいところでもあるのかな、と思います。
---つまり、選手とドクターの架け橋になるのですか?
平先生
はい。もちろん選手とドクターの間に入りますし、チームの監督は怪我の状態をトレーナーに聞いてくるので、選手と監督の間に入ることもあります。トレーナーは選手もしくは監督・ドクターどちらかと話が出来ればいいというわけではありません。
---そうなるとコミュニケーション能力の高さも必要ですね。
平先生
えぇ。どんな職業でも必要な能力だとは思いますが、現場でしゃべれない・うまく説明できないということになると、いくら知識があっても『いいトレーナー』としてやっていけないと思います。相手にきちんと説明し、納得させ、更に実行してもらわなければ意味が無いと私は思いますよ。
---知識だけあってもしょうがない…頭で考えると難しいですね。
平先生
たぶん勉強したいと思う方は多いと思うのですが、実際にチームに所属したり相手に話したりするとき、必ず壁にぶつかると思うのです。自分では分かっていることでも、相手に理解させることは非常に難しい事なのですね。難しい言葉や難しい内容を出来るだけ砕いてわかりやすく説明する力も必要ですね。
---選手は怪我をした時心理的にもダメージがあると思うのですが、トレーナーはどのようなことをすべきですか?
平先生
スポーツ選手に関わるのであれば試合や練習にベストコンディションでのぞんでもらうことが、先ほど言った健康管理につながってくると思います。ベストコンディションを整えるためには「栄養」「トレーニング」「運動」「メンタル」などが必要です。メンタル面で特に多いのは、怪我をした選手が落ち込んでしまうことです。怪我したことを受け入れられない状態でリハビリやトレーニングをしても、効果は表れません。ですから、まず始めは怪我について説明することからはじめます。そこでトレーナーは、怪我の状況や完治・復帰できる見通しをわかりやすく説明して、競技復帰までの流れを説明します。自分が怪我を経験して本校に入ってくる生徒は、選手のつらさがわかるからトレーナーを目指すのだと思います。
---確かに共感できるものがあると対応も変わりますよね!選手とアスレティックトレーナーの関係は生徒と先生という関係なのですか?
平先生
年齢に関係なくトレーナーは指導者という立場になります。
生徒にも「授業では『生徒』という立場だけど、二年経ったら逆の立場になる」ことを意識するように言っています。
例えば、100キロの重りを自分で上げるのではなくて指導相手に100キロの重りを上げさせるのがトレーナーですから、そういう観点で授業を受けないと『指導者』にはなれないですね。
アスレティックトレーナーの仕事の一つに『教育』というものも含まれます。選手に対しての教育もそうだし、自分の下についた後輩トレーナーの教育もそうです。
---『教育』というのは後輩トレーナーに対しても行なうのですね?
平先生
実習先にいる二年生のところに一年生が実習しに来たら、二年生は選手に指導するのはもちろん、一年生にも指導をしなければなしません。また、後輩に対しての教育も欠かせないのです。
---アスレティックトレーナーが複数名いるチームで先輩後輩という関係があるという事ですか?
平先生
そうです。大体プロのチームでも多いところで2・3名しかいませんが、先輩のヘッドトレーナーが後輩であるアシスタントトレーナーに指導をしています。
---そこでもコミュニケーション能力、重要ですね!!
以上、【コミュニケーション編】お送りいたしました!
コミュニケーション能力は社会では誰もが持っていて当たり前のものになりますが、
アスレティックトレーナーのコミュニケーションは、かなりレベルが高くないといけないなぁ、とお話して感じました。
選手とドクター、監督、後輩との距離感も大切なのではないでしょうか?
次回は【就職編】です。お楽しみに!